日本人の若者は留学で初めて日本を出る、という人が多いかもしれない。ほとんどの日本人はずっと日本で育ち、日本人としか会話もせず、日本文化しか習得せず、外国人とも触れ合った体験談1つないままに、いきなり外の世界へと投げ出されるのだ。日本は世界でも数少ない独立した島国であり、国境の敷居も高いために外国人も他国ほどはいない。日本人の留学とは、世界から見ればベビーカーの中で育ってきた赤ちゃんが突然、短期留学という形で外へ飛び出していくようなものなのだ。まず短期留学をした友人の体験談で驚かされるのが、外国人の喫煙や薬物事情だ。
アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国、さらに言うならアジア諸国、ほぼ日本以外の国はすべて、タバコは小・中学生で体験し、高校生・大学生はマリファナを吸うという。もちろんどちらも違法であり犯罪だ。しかしタバコにしても薬物にしても日本ほど刑罰は重くない。他人を傷付けたり、物を盗ったりする以外の法律は、日本以外のほとんどの国では自己責任なのである。そういった日本以外の諸外国からすると、日本の細かく厳しい法律は逆におかしいという。
実際の体験談を聞くに、短期留学生たちは、そのような諸外国と今まで日本で学んだことの価値観のずれに、まずは直面し選択をすることとなる。このような問題に対して、ホームページに「留学を検討している方へのお知らせ」と題し「海外での大麻等薬物乱用に対する注意喚起」などという掲示をしている大学もある。しかし本当の問題は薬物乱用というより、法律にたいする価値観、ひいては国というものと自分の位置関係に気付き、おのおのが考え出すことにある。